部下のやる気を引き出す!心理的資本を活用したモチベーションマネジメントの方法

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管理職が直面するモチベーション低下の課題

「最近、部下のやる気が見られない」「どれだけ指示をしても動いてくれない」。こうした悩みを抱える管理職の方は多いのではないでしょうか。モチベーションの低下は、チームの生産性を著しく下げるだけでなく、離職率の増加や職場の雰囲気の悪化にもつながります。

そんな中で注目されているのが、「心理的資本(PsyCap/Psychological Capital)」の理論です。この理論を参考にしマネジメントに取り入れることで、部下のポジティブな心理状態を高め、意欲的に働ける環境を整えることができます。本記事では、心理的資本を活用したモチベーションマネジメントの方法をご紹介します。

モチベーション低下の原因:心理的資本の視点から

部下のモチベーションが低下する理由は、単に「やる気がない」からではありません。その背景には、心理的資本が低下している可能性があります。

心理的資本(PsyCap)は、個人が持つポジティブな心理的資源であり、「自信と信頼の力(自己効力感/効力感)」「意志と経路の力(希望)」「現実的で柔軟な楽観力(楽観主義)」「立ち直り乗り越える力(レジリエンス/超回復力)」の4つの要素で構成されています。この4つの要素が弱まると、部下は自分の仕事に価値を見いだせず、モチベーションが下がるのです。

1. 自信と信頼の力(自己効力感)の低下

自信は、自分の能力で目標を達成できるという信念ともいえるでしょう。これが低いと、新しいタスクや挑戦に対して恐怖感を抱き、「やっても失敗するだけ」と思い込む傾向があります。自分にもできる、という自信がなければ行動を起こすことすらできません。

例:管理職が部下に対して適切なスキル指導を行わず、無理な目標だけを設定した場合、部下は「どうせ達成できない」と感じてしまいます。

2. 意志と経路の力(希望)が失われる

希望は、目標に向かう道筋を描き、その道筋を進む意志力を示します。希望が失われると、部下は将来に対する期待感を失い、日々の業務がただの「作業」に感じられます。自分の意志や選択肢が無いと感じ、やらされ感を感じてしまうことも、要因になります。

例:「このプロジェクトが成功すればチーム全体が成長できる」というビジョンが共有されていないと、部下は自分の仕事の意味を見いだせません。

3. 柔軟な楽観力(楽観主義)の不足

楽観主義は、物事が良い方向に進むと信じる態度です。これが不足すると、部下は困難な状況に直面した際に「どうせやっても無駄だ」と考え、挑戦する意欲を失います。また結果に対して悪かった点に注目し過ぎることで、否定的に物事を見てしまい、周囲に対してネガティブな態度を出してしまう可能性があります。

例:ミスをした際に厳しい叱責を受け続けると、部下は「失敗は許されない」と感じ、リスクを取ることを避けるようになります。

4. 乗り越える力(レジリエンス・超回復力)の弱さ

レジリエンスは、困難や挫折から立ち直る力です。この力が弱いと、部下は失敗やストレスに対して過度に落ち込み、再び挑戦する意欲を失いやすくなります。

例:「一度のミスが評価を左右する」と感じる職場では、部下はプレッシャーに押しつぶされやすくなります。

実践的なマネジメント手法:心理的資本を高めるために

では、心理的資本を高めるために管理職は何ができるのでしょうか。ここでは、4つの要素に基づいた具体的な施策をご紹介します。

1. 自信を高めるフィードバックの提供

部下のスキルや成果に対して具体的なフィードバックを行いましょう。文字通りのポジティブフィードバックです。「何が良かったのか」「どの部分を改善すれば良いのか」を明確に伝えることで、部下は自分の能力を信じられるようになります。一見、改善のためのフィードバックは、ネガティブフィードバックと捉えがちですが、建設的で具体的な次の一歩につながる前に進むフィードバックは、ポジティブフィードバックと言えるでしょう。相手を否定したり、失敗の追求だけで終わると逆効果ですね。

2. 希望を与える目標設定

目標を設定する際には、「達成可能であること」「達成後の成果が具体的であること」を意識しましょう。また、中間目標を設けることで進捗を感じられるようにすると、希望を保ちやすくなります。大きな夢のある目標を掲げることも大切ですが、それだけに終わると、そこに至る道筋が見えませんよね。だから具体化することや、達成可能な中間目標を設定することが大切になります。

3. 楽観主義を育てる職場環境

失敗を許容する文化を育てましょう。「失敗から学べば良い」というメッセージを繰り返し伝えることで、部下は挑戦を恐れなくなります。なんでも許されるわけではないと思いますが、その失敗を現実的に分析し、次の挑戦の糧にできるかどうかが大切です。実際に失敗から学ぶことを、当たり前のように行える風土づくりです。これは組織のリーダーから意識を変えていくことが重要でしょう。

4. レジリエンスを育む支援

困難に直面した部下には、具体的なサポートを提供しましょう。業務の負担を一時的に調整したり、チームでのフォロー体制を整えることで、部下は安心して再挑戦できます。サポートする時は、一緒に問題の要因を具体化して、再挑戦に向けたリスクを明らかにしていきます。また、この状況を乗り越えるために必要なリソースも具体化していきましょう。意外と灯台下暗しで、活用できるリソースが見つかるかもしれません。

成功事例:心理的資本を活用した組織の取り組み

職場の心理的安全性に懸念があったいくつかの組織では、特にリーダー(マネージャー)の心理的資本向上のための伴走支援やワークショップを行いました。

その結果、あるIT企業では心理的安全性に関する社内サーベイの結果が改善しました。また自治体組織でも、各職場の心理的安全性について改善が見られました。

このことから組織のリーダー・マネージャー自身の心理的資本の状態、および心理的資本を高める思考法・手法を意識した部内コミュニケーションを行うことで、職場内の関係性改善・パフォーマンス改善に寄与すると言えるでしょう。

参考記事:【鎌倉市×Be&Do】職場リーダーの心理的資本への介入が、職場の心理的安全性向上に寄与!~実証実験結果を報告~

結論とまとめ:今こそ部下の心理的資本に目を向けよう

心理的資本は、部下のモチベーションを左右する重要な要素です。自信、希望、楽観主義、レジリエンスの4つを高める取り組みを行うことで、部下のやる気を引き出し、チーム全体の成果を最大化できます。

まずは、部下の心理的資本がどのような状態にあるかを観察し、小さな改善から取り組んでみましょう。部下の成長を促すことは、管理職としてのあなたの成功にもつながります。

以下の記事「心理的資本って知っていますか?人のパフォーマンスや幸福に不可欠な理由とは。」もご参考まで。

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HERO Hackers編集部。株式会社Be&Doがイキイキ応援メディアとして運営しています!誰もが持っている熱意や意欲のエネルギー源、行動力のエンジンとなる心の中のHERO(心理的資本)をパワーアップしたい人が集まる基地でありハブでありコミュニティ。そんな場をつくってまいります。

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