年齢の神話を打ち破る!新しい挑戦のために抑えておきたい”心理的なスキル”とは

記事

先日、50代以降の人生観や仕事観についてのディスカッションに参加して話題に触れる機会がありました。そこで感じたことも踏まえながら、コラムに記したいと思います。

年齢は関係ない!けど本音はどう?

年齢を重ねるごとに新しいことに挑戦するのは難しい、あるいは不可能だと感じることがあります。しかし、これは単なる社会的な固定観念に過ぎないもの。結論から言えば、実際には、心の持ちよう次第で年齢の壁を打ち破ることができるのです!

年齢はただの数字に過ぎず、何歳であっても新たなスタートを切ることに遅すぎるということはありません。年齢に関する固定観念が私たちの行動に制約をもたらすことは確かですが、その制約を自らの手で取り払うことができれば、心は自由になり、新しい一歩を踏み出すための準備が整います。

でもいくら”年齢は関係ないんだよ”と言われたところで、「当事者」にしか感じられない不安感だったり諦めだったりが、実際には突きつけられます。

自分と同じくらいの年齢の人や、もっと高齢の人が、新たな挑戦をしてイキイキとしている様子を目の当たりにして、「よし!自分もやってやろうじゃないか」とポジティブな刺激を受ける人もいれば、「この人が特別だったからだ」「その人の経験あってこそだから参考にならないよ」と何かと言い訳をつけてしまい諦めてしまう人もいます。

案外、後者の方が多かったりしないでしょうか。でもそう感じてしまうのも、人の性。人は善くありたいとは思うが、限りある資源の中では弱気になったりネガティブな想いに支配されることもあります。

どうやって年齢の壁を乗り越えればいいのか

社会が私たちに押しつける年齢の制約を超えて、自分自身のペースで人生を切り開くことの重要性を考えてみましょう。「この年齢では転職は難しい」「新しいスキルを学ぶのは若者だけの特権だ」などといった思い込みは、実際には私たちが自らの可能性を狭めているだけです。これらの固定観念から解放されることで、新たな目標を設定し、それに向かって積極的に行動することが可能になります。(もちろん、その固定観念からの解放は容易ではないという前提を忘れてはいけません!)

年齢をただの数字と捉えることの重要性は、私たちの心理的な視点を変えることにあります。この視点の変化が、私たちの行動や選択に大きな影響を与えるのです。新しいことに挑戦する勇気を奮い起こし、自らの力で道を切り開くためには、まず年齢に対する意識を変えることが必要です。年齢を気にせずに自分らしく生きることができれば、どんな年齢であっても成長し続けることができるのです。

そこで思い出してほしい(覚えておいてほしい)概念が「心理的資本」というものなんです。

心理的資本とは何か?

心理的資本とは、個人が持つ内的な資源であり、その人の成長や新しい挑戦を支える力の源泉です。この資本は、Hope(意志と経路の力)、Efficacy(自信と信頼の力)、Resilience(乗り越える力)、Optimism(柔軟な楽観力)の4つの要素から成り立っています。これらの要素は、私たちが困難に直面したときに、どのようにそれを乗り越え、次のステップへ進むのかに大きな影響を与えます。

Hope(意志と経路の力)は、目標を達成するための意志と、そこに至るまでの道筋を描く力です。新しいことに挑戦する際に、どのように進むべきかを明確にすることで、自信を持って行動することが可能となります。

Efficacy(自信と信頼の力)は、自分の能力を信じ、挑戦に立ち向かうための力です。この自信があれば、年齢に関係なく新しいことを始める勇気を持つことができます。

Resilience(乗り越える力)は、失敗や困難から立ち直り、再び挑戦するための回復力です。どんな年齢であっても、困難に直面したときに諦めずに立ち上がることができるのは、この力のおかげです。

Optimism(柔軟な楽観力)は、未来に対して前向きで柔軟な姿勢を保ち続ける力です。新しいことを始めるときには、楽観的な視点が必要不可欠であり、これが行動を促進する大きな要因となります。

これらの要素を理解し、日常生活に活用することで、私たちは年齢に関係なく新しい挑戦を恐れずに受け入れることができるのです。

そしてこれらは、人生やキャリアを捉える時にも非常に役立つ概念なのです。

「年齢」をリスクと捉えた場合の例

年齢を「リスク」としてみて、Resilience(乗り越える力)の視点で整理してみましょう。

これまでの経験や知識だけで、そのまま進むリスク。新たな挑戦をして何かを失うリスク。
ざっくりと、大きく分けると、2つに大別されると思います。細かく言えば、いろいろあるのですが。
要は、どちらをとっても大なり小なりリスクはあるはずです。
どちらがリスクが大きいか、自分自身はどうしたいかをしっかり問うことが大切なのだと思います。

そして、自分自身が持ちうる様々な資産や資源を、それらのリスクを乗り越えていくためにどのように活かしていくかを客観的に考えることが重要だと思います。

必要ならば、新たに資産や資源を開発する必要性に迫られます。でもそれはつまり、年齢に関わらずリスクを乗り越えていこうと思えば、何らかの「成長」が伴うということなのではないでしょうか。

全くそのままでいられるということは、現実的にはあり得ないでしょう。周囲の環境変化もありますし、自身の加齢を伴う変化はどうしても付きまとうわけです。結局は様々なリスクに備えて「準備」せざるをえないと思うのです。それならば、受身で必要に迫られて準備するより、先手で動くのも”アリ”とは思いませんか?

イキイキしたミドルシニア

年齢を超えた挑戦の実例とインスピレーション

年齢にとらわれずに新たな挑戦をした実例は、数多く存在します。例えば、ある著名な作家は、50代で初めて小説を執筆し、後に世界的に評価されるようになったという事例もあれば、ある企業家は60代で新たなビジネスを立ち上げ、今では大成功を収めたという人もいるでしょう。

大それたことじゃなくても良いのです。私の身近でも、70代過ぎてからフラダンスを習いはじめたり80代になってから「LINE」を使いこなす祖母や、80代過ぎてから「ちぎり絵」や「油絵」をやりはじめた祖父、60代過ぎてから「Instagram」を使い始めた父母など。趣味の領域からでも、その先に新たな人のつながりができたりして楽しんでいる様子を見てきました。

これらの事例は、年齢が新しい挑戦の障害にならないことを示しています。
新しい挑戦をする上で重要なのは、自分自身の心理的資本を有効活用し、年齢に対する偏見を打ち破ることです。これにより、私たちは新たな目標を達成し続けることができます。

まとめ

年齢の神話を打ち破り、心理的資本を理解し活用することで、私たちは新しい挑戦を恐れずに受け入れることができます。年齢はただの数字であり、心の持ちよう次第で人生を切り開くことができます。自分自身のペースで成長し続けるために、年齢にとらわれずに新たな挑戦を始められる!

そんなことを思い出していただけると嬉しいです。

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橋本豊輝

橋本豊輝

株式会社Be&Do 取締役 COO/日本心理的資本協会 事務局担当理事。PsyCap Master® Exsecutive Guide。組織活性化プログラムの開発・提供や、人材育成サービスの開発、ツールの設計に携わる。企業の管理職や従業員など働く人のWellbeingをサポートする外部メンターとしても活動中。心理的資本を高める手法を追究している。著書に『心理的資本をマネジメントに活かす』(共著)中央経済社,2023年がある。

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