「絶好調」の自分を再現する!パワプロで学ぶ”心理的資本”

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ビジネスパーソンが仕事で活躍する上で、メンタルは重要。このメンタル、実は「心理的資本」という最新の概念で理解すると、非常にわかりやすくなります。しかしながら、「専門用語っぽくて難しそう」と感じる方もおられるかもしれません。ご安心ください。今回はあの大人気野球ゲーム「パワフルプロ野球(通称:パワプロ)」を例に挙げて、心理的資本をわかりやすく解説します。(パワプロをご存知ない方にもイメージしやすいよう記述しています。)


※本コラムは、日本心理的資本協会認定 PsyCap Master®の15期 白井旬さん(職場のSDGs研究所(沖縄人財クラスタ研究会))が2025年3月に出版された書籍「企業の未来を変える! 人的資本経営×ESG思考: 「社員が主語」の人事戦略で成長は加速する」で記載されていた解説を参考に、パワプロ好きの筆者が独自に内容を膨らませたものです。


心理的資本はパワプロでいう、選手の「調子」

心理的資本は、パワプロで使用できる選手の「調子」に似ています。

パワプロの選手の調子は、絶不調・不調・普通・好調・絶好調と5段階で表現されます。選手が絶不調であれば紫色の体調が悪そうなアイコン、逆に絶好調はピンク色でニコニコ飛び跳ねるようなアイコンが示され、視覚的に選手の調子がひと目でわかるようになっています。

個人の活躍を左右する「能力」と「調子」の関係

さて、次に考えたいのが、個人(ビジネスパーソンもそうですし、パワプロの選手もそう)がパフォーマンスを発揮して活躍する理由です。以下のシンプルな方程式で理解することができます。

個人の活躍 = 能力・スキル × 調子   〜白井さん書籍参考〜


パワプロでいう「能力」は、例えば野手であれば「ミート」「パワー」「走力」「肩力」「守備力」「捕球」で構成される項目がアルファベットでG(一番低い)~S(スペシャルに高い)で表現されます。

仮にあなたがパワプロの試合で、「ミートC」「パワーC」の選手をプレイして、ヒットを打つことができるでしょうか。能力Cは結構強いです。しかし能力値に加えて重要となるのが、「調子」です。もしその選手の調子が絶不調だと、本来のミートCよりミートカーソルが極小となり、投球を打ちづらくなります。

調子は成長にも響く

パワプロにおけるこの調子は、至る所で影響があります。学生選手を育成してプロ野球選手を目指す「サクセスモード」で考えてみましょう。

サクセスモードにおける調子の影響

練習で獲得できる経験値の量調子が悪いと、獲得できる経験点が減少します。

練習のケガ率調子が悪いと、練習でのケガの発生率が高まります。

イベントの発生率とその結果特定のイベントが調子によって発生しやすくなったり、イベントの結果が有利になったり不利になったりすることがあります。
※補足:サクセスモードでは「やる気」と表現されますが、ここでは「調子」で統一します。

調子が悪いと試合で活躍できません。能力も磨かれていきません。ゲームのプレーヤーはそのことを理解しています。だから、調子が悪くなったら、「遊ぶ」コマンドを選択して、調子の回復を図るのです。

調子が大事なのは、ビジネスパーソンも同じ

ビジネスパーソンにとっても同じで、「調子」が自身の活躍に影響しています。いま現在の能力値が高かったとしても安心できません!調子が低迷したり不安定な状態で新たな経験値の獲得が乏しいと、中長期では能力・スキルが不足することでしょう。

調子は大事。ただ、パワプロのサクセスモードと現実世界が違うのは、ビジネスパーソンはそう簡単に「遊ぶコマンド」一つで調子を回復させるのは難しい…ということ。確かに、遊ぶことで気分転換するのはとても大切だし一定の効果はあります。しかし、仕事に対する根本的な「調子の良さ」や「やる気」の回復は、そう簡単ではないと感じませんか?「これが効く!」という具体的な調子の高め方を、多くの人が知らないのが現状かも知れません。

心理的資本の概念と公式を理解すれば、調子の高め方がわかる

心理的資本(サイコロジカルキャピタル)は、ポジティブ心理学・経営学の分野で注目されている概念です。心理的資本とは一言で言えば「自信」。少し長い表現でいえば「目標に向かう前向きな心のエネルギー」です。調子=心理的資本とすぐにピンとこないかもしれませんが、安定的に調子が良い状態とはどんな心持ちなのかを言語化すると、まさに心理的資本の考え方に通じます。

元高校球児の筆者が、野球部における選手の心持ちを想像して考えてみました。

1. 目標を見いだし、希望を持っている状態(ホープ)

野球が楽しい。あの先輩のようになりたい。レギュラーになりたい。大会で勝ちたい。
日々の練習はその目標実現につながっている。そう心から思っている。

2. 成功に対する自信を持っている(エフィカシー)

チャンスの場面でも臆せず自信を持ってバッターボックスに入ることができる。
バットを振り抜く自信。ボール球を見逃す自信。
自分ならやれると自分を信頼している。

3. 立ち直り、乗り越えることができる(レジリエンス)

ミスをしても逃げずにその練習に打ち込む。
わからないことはチームメイトや監督を頼りヒントを得て、
乗り越えていくことができる。

4. 楽観的に、前向きにとらえる(オプティミズム)

野球は7割凡退でも3割打てば好打者。ミスを引きずらずに気持ちを冷静に今に集中する。
そしていま自分が野球に打ち込めていることに感謝する。


選手が1〜4に示した心理状態であれば、きっと高いパフォーマンスを発揮し、活躍するだろうと思いませんか。これこそが心理的資本です。1〜4は心理的資本の4要素といわれる、ホープ、エフィカシー、レジリエンス、オプティミズムのこと。これら4つを合わせて「HERO(ヒーロー)」と呼ばれています。

心理的資本は開発できます。私たちBe&Doではこの心理的資本の高め方を「ガイディング」として体系化しています。ぜひこの心理的資本に注目し、あなた自身、あるいは周囲の人の「調子」を上げるヒントとして、さらに学びを深めていただければ嬉しく思います。

赤澤智貴

赤澤智貴

株式会社Be&Doの事業開発ディレクター。大阪府柏原市出身。学生時代、野球部のキャプテンを務める中でチームマネジメントの難しさを実感。自身がイップス(精神的な要因で思い通りにボールを投げられなくなる症状)に苦しんだ経験から、「人を怒りでコントロールするのではなく、前向きな気持ちやモチベーションを引き出すリーダーシップ」が重要だと気づく。新卒で採用支援会社にて企画営業を経験した後、2019年に株式会社Be&Doに参画。事業開発全般に携わり、PsyCap Master認定講座の運営責任者も務め、個人・組織の心理的資本の向上を追及している。また、個人の活動としてアンガーマネジメントの普及活動にも取り組み、企業研修の実施や、関西支部の副支部長としてコミュニティ運営にも携わる。

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