ミドル層(30~40代)の中途採用が活発に
2017年10月の有効求人倍率(季節調整値)は1.55倍と前月(1.52倍)から上昇し、1974年1月以来、43年9カ月ぶりの高水準。売り手市場の中、スキル、豊富なキャリアを持つミドル層の採用も活発になっているそうです。
私は2000年から2009年まで人材紹介の事業をしていました。昨今のこの様子を見て、時代の変化を感じます。
当時は、”転職は35歳まで”と言われ、また転職歴があるというだけでハードルが上がりました。
少し古い記事ですが、2017年2月8日付日経新聞によると、「ミドル層に限れば転職経験がないと中途採用では不利になるケースもある」とのこと。
ミドル人材の中途採用が増えている背景は、即戦力となる有能な人材、そしてマネジメント経験を持つ人材が不足していることの現れです。
それだけ、今のマネージャー層はマネジメント経験に不安があるということなのでしょう。
ミドル層の採用 実際のところは
実際のアンケートの結果を見てみます。
「今後、ミドル人材を中途採用することについて、どのようにお考えですか」と質問をしたところ、86%の企業が「採用したい(積極的に採用したい:12%、いい人がいれば採用したい:74%)」と回答。
「採用したい」と回答した企業の理由
トップ3は、
・「優秀であれば年齢は関係ない」(57%)
・「豊富な経験を必要とする仕事だから」(44%)
・「専門性が高い仕事だから」(43%)
が並びました。
「高齢化に伴い、ある程度年齢がいった方をうまく活用することは、今後より重要になる」「労働人口の低下は避けられない事実なので、年齢に関わらず積極的に採用している」という声が多く寄せられたそうです。(『エン 人事のミカタ』アンケート結果より引用)
また、転職回数の多いミドル層の採用に関しても、『回数が多くとも求めるスキルが合っていればよい』『マネジメント能力があると判断出来る方であれば、採用する方向で考えている』といったコメントが寄せられています。(『エン転職コンサルタント』アンケート調査より引用)
マネジメント力を高める重要性
30~40代はバブル後入社世代。今のマネージャーはほとんどプレイングマネージャーで、管理職のモデルもないまま育ってきた人が多いのです。
そのような中、ここに来て大企業もイノベーションを模索。新たな事業分野へのチャレンジが活発になり、変革が求められています。働き方改革のように、これまでの労働概念も変わっていく中、マネジメント力の希薄は、もっとも解決すべき経営課題なのでしょう。
もちろん、転職によって双方がハッピーになることも多いのですが、社内でマネジャーとして能力を発揮してもらうことができれば、余計なコストを払うことなく、より生産性を高めることができるはず。
まずは、現場のマネージャーのマネジメントを高めることを率先すべきだと思います。
私が人材紹介事業をしていたときに見た現場。
人材を持って行かれた会社ー結局他社から採用して補うという形をとることが多くなります。結果的にーあまり解決になっていないと感じていました。
マネジメント力を高めるには、研修だけでは限界です。
日々の行動のフォローが大切だと思いませんか。