風通しの良い職場をつくるためのたった3つのルール

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「風通しの良い職場」をつくりたいという声は、考えてみれば、かなり以前からあるように思う。「心理的安全性」という言葉が躍るが、その要素を分解していけば結局のところ「風通しの良い職場」をつくりたいということに行き着くだろう!

今回、そんな風通しの良い職場をつくり、職場の生産性を高めたい、問題解決をしたい、リスク対策をしたいという方へのメッセージとしてブログにしました。良ければご一読いただければ!

そもそもナゼ、職場の風通しを良くする必要があるのか?

なぜ風通しの良い職場をつくった方が良いのか。いろいろとあるが、シンプルにいえば意思伝達がスムーズだから、余計な時間や手間がかからない。それだけではなく、確認を遠慮なくできることや、間違いを指摘することも容易であることから、情報が正確に伝わりやすいということもあるだろう。

組織の規模にもよるが、リーダーが全ての問題を見つけ指示することは基本的に難しいと考えれば、ひとりひとりがいち早く小さな問題を見つけ報告されることは重要だ。場合によっては現場で対処し、事後報告となることもあるが、それも含めてだ。何かにつけて問題対処のスピードが早くなることも考えられる。つまりリスクマネジメントに良いわけだ。

そしてもちろん、問題発見だけではない。機会発見にも役立つわけだ。イノベーションの種は小さな気づきや改善から生まれることは多々あるもの。「こんな工夫をやってみてはどうか」と、提案も活発に行われることだろう。

風通しの良い職場は「生産性を上げる」「リスクマネジメント対策をする」という意味で、とても重要だと分かる。
また、職場の目標達成はおろか、事業そのものに影響することは明らかだろう。

では、そんな風通しの良い職場をつくるためには、どんな方法があるだろうか。いくつか取り上げてみたいと思う。

目的(目標)を明確にし共有を徹底する!

当り前のことのように思うが、風通しの良い職場に共通するのは、その職場の目標(組織の目的)をしっかりと具体的に明文化し、共有することを徹底していることだ。自分たちがやっている仕事の意味を問う時、最も分かりやすい拠り所となる。

職場のメンバーどうしで意見の相違があった場合にも、何のためにやるのか、と立ち戻れるものがあれば議論がブレることはない。お互いの視点やプロセスの違いであるだけで、目的地が同じであることを握ることができていれば、余計な人間関係悪化につながる余地は本来は無いはずだ。

よく聞くのは「目標と方針は全体会議で伝えたつもりだ!」というケースだ。私は「人は弱い存在(性弱説)」に立って考えるよう癖付けているのだが、その立場で言うならば「人は自分の都合の良い解釈をする」ということだ。または「人は自分の都合の良いところだけ聞いている」とも。もっといえば「人は忘れる生き物」ということだ。

そう考えれば、忘れないよう繰り返し目標に触れるルーティンをつくりたいところだ。ただただ理念を唱和するとか、ポスターを貼るというのでは形骸化することは明白。やはり丁寧な対話は重要になる。上司部下/メンバーどうしで目標について対話する機会はとても重要だ。

少なくとも、トップがいくら繰り返し言っても、現場に真意が伝わらないようではうまくいかない。やはり間に入る幹部はもちろん中間管理職(ミドルマネジメント)がどれだけ目的目標の意味を理解し、自分事として落とし込めているかがカギとなるだろう。

完璧じゃなくてもいい、ただトップー幹部ー管理職が少なくとも意識合わせ、目線合わせを「しよう」という姿勢を持ち続け、コミュニケーションを怠らないことが「目的(目標)を明確にし共有を徹底する」ためにも必要だと考える。

結果だけではなく過程を共有できている状態をつくる!

前段に触れたような「目標を共有する」だけでは片手落ちだ。目標に向かう過程(つまりプロセス)を共有し、お互いに見える状態にできているかをふりかえってみてほしい。

目標はWhy(なぜやるのか?)を共有する意味でとても重要だ。ただそれだけでは風通しの良い職場をつくることは難しいだろう。合わせてHow(どうやって?)を共有することで、どうやって結果を出すのかが見えてくる。

Howが見えることで、やり方をお互いに知り、他者が学ぶこともできる。自分ならやれそうだという行動につながる自信を生む刺激にもなるだろう。何より、良いところや改善点を具体的に見つけられることから、様々なフィードバックをお互いがするための情報が得られるようになるだろう。

職場の問題はコミュニケーション不足が原因であることがほとんどだ。

結果だけを共有することは容易い。分かりやすいので。
結果だけ出せばなんだっていいと考える人もいるが「風通しの良い職場」からは程遠くなるだろう。
もちろん、ビジネスである限り良い結果を出し、成果を生むことが最重要。だが、その成果を高めるためや、リスクマネジメントをするため、事業を前進させるために「風通しの良さ」が必要だという話なので、そこのところを間違えないでほしい。

職場内のメンバーがお互いに信頼関係をつくれるようにする!

最も曖昧であり、個別性が強く難しいと思われるのが「信頼関係をつくる」ことなのではないだろうか。
信頼関係をつくりたいと思っていても、簡単ではない。様々な要因がある。もはや「風通しの良い職場づくり」と「信頼関係づくり」は卵が先か、鶏が先か。そんな議論にもなりかねない。

ただ、明確にこれはと考える方法が1つある。

「ひとりひとりが自信を育むことができるコミュニケーション」を職場内で当たり前にすることだ。

職場の人間関係に悪影響を及ぼすネガティブなコミュニケーションの多くは、その発信者の「自信の無さ」や「余裕のなさ」の裏返しだ。しかもネガティブな態度や行動は、周囲の人が「自信や余裕が無い」状態ならば、その波及効果は何倍にも膨れ上がり、ネガティブスパイラルから抜け出せないヤバイ職場の出来上がりだ。

勘違いされるのは、声が大きい人が自信があると思われてしまうことだ。それは大きなミスリードにつながる。
とても言葉が悪いが「弱い犬はよく吠える」という表現がある。根拠の少ない自信を守るために、精一杯の防御をするために張子の虎のようになっているのかもしれない。裏側には、実は何か事情を抱えているのかもしれない。人は弱い存在だという前提に立つことが大切だと思う。

では、メンバーの自信を育むコミュニケーションとはどのようなものだろうか。少なくともこれだけはというものをいくつかピックアップした。個人的にはボトムアップよりも、トップダウンでこうしたマネジメントコミュニケーションを当たり前にしていくことが大切だと考える。

  • 大事にしていること、考え方や価値観を認める(否定しない)
  • 挑戦的だけど達成可能な目標を立てられるようにする(目標は高ければ良いわけじゃない)
  • 試行錯誤を良しとする(もし失敗しても許される損失の範囲を予めにぎりながら)
  • 本人の選択の余地、工夫の余地を残して自分自身で決定をする
  • 物事の良い側面、良い点を見つけられるような思考を癖付ける。
  • ポジティブなフィードバックは遠慮なく行うこと。
  • 監視や管理はNG!そうではなく見守りながらも必要なフィードバックを行う。

これらはほんの一部だが、繰り返すことで自信がついていくだろう。

まとめ

  1. 目標が明確である
  2. プロセスが共有されている
  3. メンバー間に信頼関係がある

これらの3つのことが徹底されてれば、職場の風通しは自ずと良くなるだろう。その結果として、生産性は高まり、リスクマネジメントは行き届き、成果が安定的に生まれる、安定的に好業績な組織になる。

どれか1つだけだと、足りないのだ。

メンバー間に信頼関係があったとしても、目標が不明確だと組織の推進力は生まれないだろう。
メンバー間に信頼関係があったとしても、プロセスが共有されていなければ工夫改善が生まれない成長しない組織になってしまうだろう。
目標が明確であっても、メンバー間に信頼関係がなければ足の引っ張り合いが生まれるだろう。
目標が明確であっても、プロセスが共有されなければ人材育成がやりづらい組織になるのではなかろうか。
プロセスが共有されていても、信頼関係がなければ人の粗探しや揚げ足取りばかりになってしまいそうだ。
プロセスが共有されていても、目標が明確でなければ仕事をやっているフリをしている集団が出来上がるかもしれない。

やや辛辣な書き方をしたが、大なり小なり、ほとんどの組織で上記のいずれかが起こっているように思う。

お困りの方は、お気軽に当社にご相談くださいね。

橋本豊輝

橋本豊輝

株式会社Be&Do 取締役 COO/日本心理的資本協会 事務局担当理事。PsyCap Master® Exsecutive Guide。組織活性化プログラムの開発・提供や、人材育成サービスの開発、ツールの設計に携わる。企業の管理職や従業員など働く人のWellbeingをサポートする外部メンターとしても活動中。心理的資本を高める手法を追究している。著書に『心理的資本をマネジメントに活かす』(共著)中央経済社,2023年がある。

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