桶狭間の戦いに見る過度なポジティビティの危険性

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歴史上の戦として有名な「桶狭間の戦い」
歴史を知らない人でも一度は聞いたことがあるのではないだろうか。

今回は、歴史を遡りこの「桶狭間の戦い」での今川軍の敗因について心理的資本の視点で書いてみようと思う。

桶狭間の戦いとは

ここで桶狭間の戦いについて簡単に説明しておこう。

この戦いは、織田信長軍と今川義元軍の戦いであった。
今でこそ超がつくほど有名な織田信長だが、当時はまだ小さな国を統治する程度のしがない武将だった。一方、今川義元は、駿河に加え遠江、三河を領地とする大武将だったのだ。

兵の数をみても今川義元の軍は25000人、織田信長の軍は5000人ほどと言われていた。

誰もが今川軍の勝利を予想しただろう。
しかしこの戦いは織田軍の勝利に終わっているのだ。

敗因は、桶狭間の地形を利用した戦略がはまったこと、豪雨という天気が味方したことなど様々な説が書かれているが、今回は、今川軍が油断しすぎた点に着目したいと思う。

過度なポジティビティを抑制するネガティビティ

フレッド・ルーサンスをはじめとする心理学者は「心理的資本」の開発において、 ポジティビティを一方的に賞賛しているわけではない。

以下は「こころの資本」からの参照である。

ある程度の疑念やネガティビティは、現実的であり続けるためには必要である。

ここからはわたしが想像した内容なので解釈違いがあるかもしれないことを踏まえて読んでいただきたい。

つまりは、このルーサンスがいう「ある程度の疑念やネガティビティ」は、心理的資本のオプティミズムとレジリエンスに関係していると推測する。

今川義元を心理的資本で考察

今川義元は、楽観主義ではあったかもしれないが、心理的資本でいわれるオプティミズム(現実的で柔軟な楽観力)としては充分に開発しきれていなかったのかもしれない。またレジリエンス(立ち直り乗り越える力)も弱かったのかもしれない。

なぜなら、兵の数だけ圧倒的優位であると楽観視しすぎたからである。

もしも今川義元のレジリエンスとオプティミズムが充分に開発されていたのなら、リスク要因を考えるためのネガティビティも持つことで、油断することなく、出来得る限りの敵襲への対策をしっかりと行っていたのではないだろうか。それは転じて、現実的で柔軟な楽観力を備えることにつながっていただろう。問題を乗り越える力にもなっていただろう。

こうした過度な根拠に乏しい楽観は、心理的資本を構成する他の要素の開発の妨げにもなるのかもしれない。

織田信長を心理的資本で考察

織田信長についても考察してみよう。
織田信長は、ホープ(Hope)、エフィカシー(Efficacy)、オプティミズム(Optimism)、レジリエンス(Resilience)がすべて高かったのかもしれない。

目標への熱意、つまり今川軍に打ち勝つという揺るぎない意志力、そして打ち勝つための方法、桶狭間の地形を使った攻め方もwayのひとつであっただろう。そして過去の数々の失敗から教訓得て糧にすることで自己効力感(エフィカシー)を高め、失敗を糧にできたからこそ物事を肯定的に捉えることができ(オプティミズム)、資産といえる信長自身の強みや兵の強みを知った上で適切にリスクを認識していたからこそ(レジリエンス)、「時間差二段階攻撃」とも言われる巧妙な策を練り出し、難を乗り越えたのだろうと推測する。

まとめ

以上のことを鑑みると、今川軍が心理的資本を生かした戦い方を実践していたら、歴史さえ揺るがしていたかもしれないといえるのではないか。
実際にこの桶狭間の戦いは、のちに江戸幕府を開いた徳川家康にも大きな影響を与えている。
もし今川義元が勝っていたら・・

このように歴史上の出来事を心理的資本に置き換えて考えてみると、いまの自分自身はもちろんのこと、部下のこと、組織のことを真剣に考えるきっかけにならないだろうか。
なんといっても歴史さえ揺るがすかも知れないのだから。

心理的資本を開発していなかったために、未来の結末は変わってしまうかもしれない。
それは現代においても同じといえるだろう。

雪丸由香

雪丸由香

Be&Doカスタマー担当。化粧品メーカーでの社内SEを経てBe&Doに参加。 カスタマーサクセス担当として運用のサポートに従事。 滋賀生まれ、京都育ち、現在大阪在住。コロナ禍を機に韓国語に目覚めるも渡韓暦はゼロ。

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