年々早期化する就職活動。
大学院生の息子と、学部生の娘は、今年就職活動が同時期だ。
ぞくぞくと届く就活のご案内はがきは、おなじものが2通必ず届いている。
そんななか、1通しか届いていないハガキが1枚。
それが今回のタイトルにも絡めた「ハイキャリアを目指す学生向け就職活動」のご案内だ。
「これが学歴フィルターといわれるものか・・・」
先日も、名前だけで留学生と判断され不採用になったという記事を目にしたところだ。
昨今では、公平さや多様性などを尊重する風潮が増えてきてはいるものの、これら一方の側からひとつの側面だけを抜き出し、評価されるということは今も昔も変わらないのだろう。
今回は、現代も変わらない風潮、体制の中を生きていかなければならない私たちのために、心理的資本の思考を用いて考えてみようと思う。
Contents
オプティミズムで考える
まず、こうした一方からの評価は、側面だけをみた評価にすぎない。そして他者(他社)からの評価であるがゆえ、自分ではコントロールできないということだ。
これは心理的資本では、オプティミズムで考えることができる。
オプティミズムを開発する上で最も大事なのは、「過去への寛大」と言われる考え方だ。
これは、起こってしまった出来事や状況に対する認識を見直すことを表す。
過去の出来事や経験を現実としてできるだけ客観的に捉えなおし意味付けを行います。過去をとらえ直し、意味付けを行う際には肯定的に行うことです。できなかった点に意識の焦点を当てることはかえって過去を否定的にとらえることにつながります。
『心理的資本をマネジメントに活かす』開本浩矢・橋本豊輝 著より
今回の例の場合、他者からの評価は、自分がコントロールできなかったことだと捉える。つまり、そこに関しては気にしないという思考が大事だということだ。 そう考えることができると、有限な時間の中で、どうしようもないことに悩む時間さえもったいなくなる。
Hopeで考える
外部がなんといおうと、本人の意志(Hope)ではないだろうか。
以下では我が家でのエピソードを一例にHopeを考えていきたい。
息子編
学部から就職せずに大学院に進みたいといい始めた息子(文系)。
みなさんの家庭ならどうだろう?
ようやく就職して独り立ちしてくれると思っていた矢先に、むしろ就職の道を狭くする方を選択するという選択だ。かつまだ学生を続けるということだ。
わたしは賛成した。なぜならそれが息子の1番やりたいことだからだ。
自分が向かいたい方向、心理的資本では、Hopeといわれるものが明確にあるのなら進まない理由はないだろう。
しかしここで重要なのは、意志の力(Will Power)と同時に経路の力(Way Power)も描くことだ。
大学院にすすむと就職できなくなるのではないか、研究に疲れ心身のバランスを崩してしまわないか、自分は研究者にむいているのだろうか? これらの不安やリスクを回避するための経路をあらかじめ想定しておくことも必要だろう。
これは、明確な意志を持つと同時に複数の経路も描き、リスクを回避できる心づもりも備えるということだ。
不思議なことに複数の経路(way)を考えていると少し先の未来を見ることができるので、今を生きる上でもスムーズに物事が進むというわけだ。
娘編
娘は、中学生までは、「超」がつく落ちこぼれだった。(これは息子にもいえることなので我が子の共通項でもある……)
しかし、高校への進学を考えたときに、小さなwillを見つけた。
それは建築を学ぶということだ。
そんな小さなwillからはじまったが、その中でも伝統建築という分野に興味をもち、いま大学では伝統建築について学んでいる。
そしていま3回生になり就活においては、複数の経路(way)を描いている。
建築という分野は、実はどんな業種にもニーズがあるらしく多様な業種を候補にあげており、私も驚くくらいだ。
考えられる範囲を最大限に想定し、そのための経路を描いておくというのも必然と複数の経路になるのではないだろうか。これがダメならこんな業種もあるな、そのためにはまずこの資格を取っておかないとetc……という具合だ。
それはさておき、希望がもてないという人が多い社会の中で、Hopeをしっかりと持っている2人は、我が子でありながら純粋に尊敬もできるし、刺激にもなり、わたしに良い影響を与えている。
わたしが語学を学び続けている理由も、子どもに負けたくないから・・・かもしれない。
そして息子も娘もどちらからというわけでもなく、明確な意志を持っていることがお互いに良い影響をあたえているように思う。
Hopeの高いリーダーはメンバーに良い影響をあたえるといわれるが、こんな小さなイチ家族の中でもそれが起きているということだ。
さいごに
つまり言いたいことは、大事なのは本人の意志であって、外部からの評価ではないということだ。
他者(他社)からの評価に一喜一憂するのではなく、自分のこうありたいという意志と、それをサポートしてくれる応援者がいればHEROは必然的に高まるのではないかと思う。
そしてわたしは、親としてそんな応援者でありたいと思う。