4月になると多くの会社は新年度になります。
学校では新入生。
会社では新社会人。
そして目標も新たにする人も。
目標を考えるときに、自分の原体験から考えてみませんか。人生観を見出すきっかけになるかもしれません。
原体験とは
皆さんは原体験ってありますか?
原体験とはその人の人格形成や価値観に深く影響を与えた、根源的な体験のことを指します。
原体験はその後の人生における考え方、行動パターン、価値観などに大きな影響を与え、その人の性格や才能を形成する上で重要な役割を果たします。原体験をきっかけに人生観や世界観を大きく変えることもあります。
それだけ原体験とはその人の人生に大きく影響を与えるものなのです。
起業を志し、いろんな人に自らの事業のプレゼンをすると、しばしば原体験を問われることがあります。
原体験がその人の想いの強さ、行動力、そしてあきらめずにやり切れるかの源泉として評価されるのです。
それだけ起業には、強い意志力と逆境を跳ね返して推進する実行力や粘り強さが求められるのです。生半可に「やってみたい」だけでは心が折れてしまいます。
ちなみに私の原体験は、イベント現場にアルバイトスタッフを派遣する仕事での出来事です。このスタッフ派遣の仕事は私が25歳で、なんとなく起業してしまった事業でした。
なので、当時はいったいなんのために起業したのだろうと先が見通せない不安と日々の業務に追われて疲弊していました。
「なぜなんとなく起業したのか?」気になりますよね。この話は長くなるので、またどこかでお話ししますね。
なんとなく起業から得たもの
ただ、その仕事を通じて、大きな学びがありました。
当時のアルバイトスタッフは、学生や家事手伝いをしている人(当時は大学を出ても就職しない女性も多かった)にイベントのアルバイトを依頼していました。
当然、経験や業務スキルが乏しい人ばかりでしたが、現場で褒められたり、認められたりすると進んで積極的に仕事に取り組むのです。そしてとてもイキイキと楽しく自律的にできるのです。
私は「これだ!」と強く思いました。ひとりひとりが自信を持ってイキイキと取り組む支援をすると結果的に組織の生産性もあがるのに、現実はそうなっていない。なんとかこのことを実現したい、というのが私の強い原体験になりました。
その結果、一般社団法人「人と組織の活性化研究会(APO研)」を立ち上げ、熱意と意欲あふれる人・組織づくりを支援するBe&Doという会社を起業することになりました。
事業はまだまだ道半ばですが、なんとか継続できているのは、原体験から生まれた想い=イキイキした人・組織づくりが達成できていないという強い想いがあるからだと感じています。
原体験に気づくことで本当のWillに出会える
さて、Be&Doでは「熱意と意欲あふれる人・組織づくり」の概念に心理的資本を用いています。
心理的資本の構成要素であるHERO(Hope・Efficacy・Resilience・Optimism)の中で、Hopeは目標設定に関わるものです。
HopeはWill PowerとWay Powerといい、こうありたい目標(目的)=Willと、それに向かう道筋=Wayを柔軟に描ける力をいいます。
WillやWayがあいまいだったり、やらされていると感じている限り、自発的に意欲を持って行動できないですよね。
よくキャリア面談でWillを聞かれて戸惑う人がいますが、そういう人にとってのWillは自身のWillというより会社のミッションに合わせたものしかイメージできない人が多いと感じます。
一度、時間をとってじっくりと自分の原体験に向きあってみてはどうでしょう。
あなたの人生に影響を与えた出来事はきっとあるはずです。
そしてその原体験を踏まえて、今の自分をふりかえると、自分が大切にしていきたいことやこれから実現していきたいことに気づくはず。
原体験を探るには
原体験を探るとき、以下のような経験を思い起こしてみてください
・自然の雄大さに触れたときの感動
・家族が与えた影響
・困難を乗り越えた達成感
・死や別れを経験した悲しみ
・災害や事故などの経験
・いじめや虐待を受けた苦しみの経験
etc…
できれば、誰かが対話しながら聞いてあげるといいかもしれませんね。
新年度のあらたなスタートに 「Be HERO !」