いま、ビジネスの領域で広がりつつある心理的資本やガイディングですが、私は子育てやスポーツなど、ほかの分野でも大いに活かすことができる考え方・スキルだと思っています。という訳で、「子育て×心理的資本」として、リアルエピソードをコラムで綴ります。(自分で奮闘というのもなんですが、わかりやすくタイトルにしています。)
先日、私が参加している地域のパパサークルのメンバーで飲み会を開催しました。このサークルは飲み会が主ではもちろんなくて、ふだんは月に1〜2回の休日午前、子育て中のパパ(ママも)と子が集まり、子ども達の遊びを見守りながらのんびり過ごすという活動をしています。私はちょうど会の立ち上げ時に運よく代表から声を掛けていただき、定期参加しています。(ちなみに、地域のママ向けの会はあるけど、パパが参加できる会が少ない。じゃあ作ろう!という代表の想いで立ち上がった会です。)
今回の飲み会は私のほうで呼びかけさせてもらいました。参加して、育児へのモチベーションが非常に高まりました。開催して良かったなあと感じています。
パパ達の子育て意識が高い!
参加のパパ達は、みんな育児への意識がすごく高いです。子ども達に豊かな心を育んでほしいという想いに溢れていると私は感じました。なんと絵本を累計200冊読んだというパパも!図書館のオンライン予約システムや、絵本記録アプリもうまく活用されているのだそう。大人が涙する絵本も教えてくれました(笑)。そのほか、おすすめのお出かけ場所や遊びなども話題に上がりました。ある参加者の一人が後日、「一切仕事の話なく、ただひたすらに子育て話だったことに感動しました。」とチャットメッセージでコメントされていましたが、まさにそれくらい情報盛りだくさんであっという間に時間が過ぎました。
私は皆さんから大きな刺激を受けました。「こんなこと真似できそうだな〜」とか、「あそこに今度出かけたいな〜」とか、「自分はそれなりに頑張ってると思ってたけど、もっと色々工夫できそうだ」とか、感じることが多々ありました。
私の場合、実は普段の生活や仕事の中で私と同じ子育てパパとお話できる機会って、あまり無かったんです。だから周囲と比べて自分の状況に焦りを感じたりすることもありました。特に最近は頻繁に勃発する兄弟げんかに悩む日々。今回、同じ境遇の悩みを共有できたり、刺激を得ることができて、とてもありがたい機会でした。
代理体験を得よう
さて、こんな経験にも無理やり紐づけているように見えると恐縮ですが、心理的資本の高める方法(ガイディング)を理解していれば、育児へのモチベーションが例え停滞していても、高めていけるように、ある意味”意図的に”行動していけるものだと、改めて実感しました。
例えば心理的資本のエフィカシー(自信)を得る一つの手段に、「代理体験」があります。
~代理体験(モデリング)とは~
心理的資本のEfficacy(自信と信頼の力)を開発する4つ方法の内の一つ。他者を観察することで、その成功や失敗から学ぶことができる。あの人にできるなら自分にもできるという感覚を得る。モデルには本人と類似している人や類似しているタスクであるほど効果的。共通の目標の仲間の存在も良い。
代理体験の考え方を知っているからこそ、「育児が大変だ」⇒「コミュニティに参加しよう」⇒「飲み会で話を聞こう」というように、行動手段を見いだすことができます。
ちょっと自信がついてきてます
ところで、このようなコラムを書いている私、子育てが得意なように見えるかも知れませんが、全くそうではありません。子どもは基本的に苦手です。母性本能のような感情を持ち合わせていないと自負しています(汗)。お世話をするということに本来向いていない(関心がない)人間です。(だいぶと好感度が下がるエピソードですが、)わたしが中学の頃、電車で移動中、向かいの席でキャッキャッと騒いでいた小さな子どもに「うるさいな~」と内心思っていたら、友人らが「めっちゃかわいいな~」と言い合っていて、「あ…自分の感覚は友人とだいぶ違う」と自認して以来、子どもは苦手だと思って生きてきました(笑)。
でも親として子育てでこうありたい、子どもにこう育ってほしいという考え(心理的資本ワードでいう、「Will」)は持っています。ですので、上述のように色々と試行錯誤している訳です。その中で、少しずつ自分の中で変化が生まれています。ある日、保育参加(保育園で親が園児に混ざって半日過ごすイベント)に出てみたらすごく楽しく、しかも子ども達の人気者?になれたり(笑)、少しずつ成功体験が積み上がっている気がします。ちなみに成功体験は代理体験と同じくエフィカシー(自信)を得る体験です。
気持ちが停滞しても、意図的に行動していける
ちなみに他にも、最近チャレンジしたことがありまして。アンガーマネジメントキッズインストラクターという資格を取りました。これは、子供(5歳~小学校高学年)向けに、アンガーマネジメントの方法を分かりやすくレクチャーできるようになれる認定資格です。取得してからまだ数週間ですが、自分の子どもの兄弟げんか発生時のアプローチを変えてみて、少し成果も感じています。
自分でいいますが、自分の苦手な子育てにも、落ち込んでも前向きになれるように行動を続けられているのは、自らの心理的資本を高める行動(セルフガイディング)を実践しているからです。心理的資本は、「行動を起こす”エンジン”」とも表現されています。まさにこのイメージで、けして苦手な事柄であっても、エンジンをメンテナンスしていれば、前に進めます。そして、子育てに限りませんが、苦手(=自信のない)領域だからこそ、その葛藤や試行錯誤の中から得られるものは大きいんじゃないかと、私は思っています。私が最初から子育てがそれなりに得意で悩みもなかったら、たぶん子育てサークルには参加していなかっただろうし、アンガーマネジメントの資格取得にもチャレンジしていなかっただろうと思います。
本コラムを読んでいただいた方が、「心理的資本やガイディング。子育てにもいいかも!」と思ってくださると嬉しいです。引き続き子育ての試行錯誤を綴っていきたいと思います。温かく見守ってくださいませ。