仕事と家庭の板挟み 〜心理的資本で乗り越える7つのアプローチ〜

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仕事で大きなチャンスが巡ってきた。「よし、頑張ろう!」と意気込む一方で、なぜか同じタイミングで大切な家族に問題が起きる。

「今、私が仕事を優先していいのだろうか?」 「もしかして、私のせい…?」

仕事も家庭も、どちらも真剣に取り組んできた人ほど、こうした板挟みの状況で深く悩んでしまいます。
重要なプロジェクトを任されたその時に、子どもが不登校になってしまったら…
昇進のチャンスが来たのに、親の介護が必要になったら…

こうした状況は、現代を生きる私たちにとって決して他人事ではありません。
このような状況に直面した時に、どう考え、どう乗り越えていけばよいのか、心理的資本の観点を交えてご紹介します。

どちらかを選べない苦しさ

長年頑張ってきた仕事で、ついに大きなチャンスが巡ってきた!
昇進のオファー、重要なプロジェクトのリーダー、海外赴任の話…。これまでの努力が認められた瞬間です。

でも、まさにその時に限って、子どもが「学校に行きたくない」と言い出したり、親から「体調が悪くて…」と連絡が来たり。なぜこのタイミングで?と思わず天を仰いでしまいます。

こんな時、頭の中はまさに大混乱。「せっかくのチャンスを逃したくない」という気持ちと、「家族を放っておけない」という気持ちが激しく葛藤します。

「私のせいかもしれない…」 「でも、今回の仕事は本当に大切で…」 「家族が一番大事なのは分かってるけど…」 「みんなの期待に応えたいのに…」 etc・・

特に、これまで仕事も家庭も「ちゃんとやってきた」と自負がある人ほど、この状況は辛いものです。
まるで答えのない迷路にハマったような気分。どちらを選んでも「正解」が見えない状況に、私たちは意外と簡単に迷い込んでしまいます。

混乱から抜け出すための「7つのアプローチ」

ではそういった迷路から抜け出すためには?
このような状況を乗り越えるための基本的なアプローチと、心理的資本の観点からも考えてみました。

1. 「頭の中」を整理する

まずは「何が仕事の問題で、何が家庭の問題か」を切り分けて客観視することが第一歩です。例えば何が不安なのか、何がリスクだと感じているのかを一つひとつ言葉にして整理するだけでも落ち着きを取り戻せるかもしれません。

2. 「思い込み」に気づく

私たちは無意識の「固定観念」に縛られています

「仕事をセーブすれば、子どもは学校に行くようになる」 「親がそばにいれば解決する」 「不登校は悪いことだ」 これらは本当でしょうか? もしかしたら、あなたの考えていることをお子さんは望んでいないかもしれません。「こうあるべき」という一本道の発想が、自分自身を苦しめている可能性はないか、問いかけてみましょう。

3. コントロールできること・できないことを分ける (Optimism)

「自責の念」に駆られている時、私たちは自分ではコントロールできないことまで背負い込みがちです。

家庭の問題は、仕事のように「やれば成果が出る」とは限りません。今、あなたが現実的にコントロールできることは何で、できないことは何かを冷静に整理してみること。
この「現実的な楽観力(オプティミズム)」が、次の一歩を踏み出す力になるかもしれません。

4. あなたの「リソース(資源)」を棚卸しする(Resilience)

「一人で」頑張ろうとしすぎていませんか?

こういう時こそ周囲のサポートが重要です。パートナー、会社の上司や同僚、学校の先生、友人など、あなたのことを分かってくれそうな人、相談できる相手はいないか、棚卸ししてみましょう。

5. 「今あるもの」に目を向け感謝する(Optimism)

人はつい、マイナスの面にばかり目が行きがちです。
しかし表裏一体のようにプラスの面も同じだけあるはずです。

これまで築いてきたキャリアの実績、家族との関係、やりがいのある仕事のオファーなど、恵まれている環境もたくさんあるはずです
今あるものへの「感謝」に目を向けてみることも、心を軽くする「オプティミズム」の一つです。

6. まだ「物語の途中」と捉える(Optimism)

今すぐ完璧な答えや変化を求めすぎる必要はありません
将来どうありたいかを見据えつつ、今は「いざという時に背中を押せる準備」をする期間だと考えてはどうでしょうか。今できることを粛々とやっていく。それも将来に向けた大切な「オプティミズム」です。

7. 小さな「一歩」を具体的に決める(Efficacy)

モヤモヤしている時は、具体的な行動ができていない時でもあります。

最初の一歩として何をするか? 例えば、「まずはお子さんと本音で話してみる」。「上司に状況を相談してみる」。「両方取る」ために、今の仕事のやり方を少し変えられないか検討する。など、「これならできそう」という小さな行動からしてみることが大切です。

さいごに

キャリアと家庭の問題は、切り離せるものではありません。プライベートが仕事に影響するのは当然のことです。

もしあなたがこのような状況で悩んでいるなら、何よりもまず、これまで仕事も家庭も熱心に取り組んできた自分を「ちゃんとやってるよ」と認めてあげてください。それが、あなたの「Efficacy」を高める一番のポジティブフィードバックになります。

完璧じゃなくていい。 一人で抱え込まなくていい。まずは信頼できる誰かに話し、頭を整理し、利用できるリソースを確認し、今できる小さな一歩から踏み出してみませんか。

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HERO Hackers編集部。株式会社Be&Doがイキイキ応援メディアとして運営しています!誰もが持っている熱意や意欲のエネルギー源、行動力のエンジンとなる心の中のHERO(心理的資本)をパワーアップしたい人が集まる基地でありハブでありコミュニティ。そんな場をつくってまいります。

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