今日は少しだけ、個人的な話をさせてください。 仕事柄、人の成長やキャリアについて考える機会が多いのですが、そんな私が今、人生最大の「ままならないプロジェクト」(注釈1)に直面しています。クライアントは、一人息子(1歳)。こちらの計画通りには決して動かない、最強のステークホルダーです(笑)。
注釈1:ここでの『ままならなさ』は、単に子どもが言うことを聞かないという表面的な話ではありません。『計画通りに進めたい自分』と『そんな自分を客観視するもう一人の自分』、そして『どちらの自分も思うようにコントロールできない現実』。をイメージしてください。
もともと私は、目標達成への意欲が強いタイプ。そのためか、子どもとの生活も、つい「ミッション」として捉えてしまうクセがあります。食事、お風呂、寝かしつけ…ひとつひとつのタスクを時間内に、計画通りにこなすことに意識が向いてしまうのです。
子どもの機嫌一つでミッションが達成できないと、焦りや苛立ちが生まれる。そして、そんな自分に対してもう一人の自分が問いかけます。「そもそも子育てをタスクとして捉えるのはどうなんだろう?」「もっと純粋に楽しめばいいのに…」と。
まさに、「KPI(寝かしつけ時間)が未達!」と焦るプロジェクトマネージャーの私と、「いや、このプロジェクトのゴールはKPI達成じゃないはずだ」と冷静にツッコミを入れるもう一人の私。脳内で毎日、激しい議論が繰り広げられているのです。
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灯台下暗し。自分を救うフレームワークの存在
そんな風に、脳内会議でエネルギーを消耗していたある日、ふと我に返りました。
仕事では、「心理的資本」という概念を専門にしてきたはず。人が持つ強さや自信の源泉について語ってきたのに、自分のこととなると、その視点をすっかり失いがちです。まさに灯台下暗し。
「こういう時こそ、心理的資本の出番じゃないか!」
そう思い立ち、この「ままならないプロジェクト」に、心理的資本のフレームワークを応用してみることにしたのです。
「得意じゃない!」を支える二つのアプローチ
この「ままならなさ」と上手く付き合うために必要なのは、まず「前向きなふりかえり」で自分自身を支え、そして可能なら、「質の高いポジティブなフィードバック」を得ることです。
一つ目の「前向きなふりかえり」は、できたことを自分でちゃんと認めてあげる、という心の習慣です。 例えば、「夕食のことで叱ってしまったけど、栄養のあるものは食べさせられた」「お風呂はバタバタだったけど、寝る前の絵本は読んであげられた」というように。自分の行動のポジティブな側面に、意識的に光を当てる。これは、自分の力でできる最も基本的なセルフケアです。
しかし、一人で内省を続けるのには限界があります。時には、客観的な視点からの励ましが欲しくなるものです。
そこで重要になるのが、二つ目のアプローチ。私が試したのは、テクノロジーの活用、具体的には『HEROMe』というAI対話ツールでした。
HEROMeの優れた点は、単に「すごいね」と人格を肯定するような表面的な承認ではないところです。
私が話した内容から、きちんと「行動」に焦点を当て、「〇〇という行動ができたのは素晴らしいですね」と、具体的な事実に基づいたフィードバックをくれる。この「行動」へのフィードバックこそが、心理的資本を育む上で非常に効果的なのです。
苦手な仕事にも応用できる、心の整え方
この「①前向きなふりかえり」と「②質の高いフィードバック」は、仕事で苦手なことに向き合う際にも、そのまま応用できます。
まずは、自分の力で「できたこと」「成長したこと」を意識的に見つけ、自信が過度に失われるのを防ぐ。 そして、もし可能なら信頼できる上司や同僚に、具体的な行動に基づいたフィードバックを求めてみる。それが難しい環境なら、HEROMeのようなツールを壁打ち相手にするのも一つの手です。
苦手なことを無理に好きになる必要はありません。 ただ、それに向き合う自分の心を、いかに健やかに保つか。そのための方法を知っているだけで、世界は少し違って見えるかもしれません。
もし、あなたが今、何かに行き詰まりを感じているとしたら。ご自身の「行動」に目を向け、その価値を認めてあげることから始めてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、こういう「苦手だ!」という話、5ヶ月前にも別のテーマで書いていました(笑)。どうやら私には、ままならない課題に直面すると、すぐに「苦手」とラベリングしてしまう思考のクセがあるようです。 今日は、その思考のクセを、自分の専門知識を使ってどう乗りこなそうとしているか、というお話でした。

2025.04.21
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。