心理的安全性に注目が集まっています
googleのプロジェクトアリストテレスの実証結果で、チーム内の心理的安全性が高いチームが成果を生むことがわかったことから、心理的安全性はバズワードのように語られるようになっています。
心理的安全性の高いチームにしよう!という合言葉の下、よくある2つの間違ったコミュニケーションで現場はドタバタが繰り広げられています。
間違い①
心理的安全性なので、お互いに傷つかないようにフィードバックは緩め。
すると、お互いに言いたいことが言えず、緩い空気の推進力がないチームになってしまった.
間違い②
心理的安全性とは互いに言いたいことを言い合っても建設的に推進できるチームということで、言いたいことを遠慮なく言ったところ、誤解を生み人間関係がガタガタに。
心理的安全性とは、個人が自分の意見やアイデア、感情を自由に表現し、他者との間で信頼関係を築き、失敗や不確実性に対してオープンで向き合える状態をいいます。
なので「間違い②」のケースは真の心理的安全性を目指した姿でもあるのでしょうけれど、メンバー間で信頼の土台ができていないければ、まったく逆効果になりかねません。
信頼の土台とは
もちろん、互いに認め合う、尊重しあえる関係ができていることですが、人間の心理は複雑です。好き嫌い、羨望、苦手意識、ライバル意識などの個人の感情が日々職場で交錯しています。
この複雑な感情をうまくコントロールできなければ、褒め言葉は嫌味に聞こえるし、相手が成果をあげると焦ってしまい、またストレートなフィードバックには怒りを覚えてしまうのです。
そこで、ひとりひとりの心理的資本が豊かなことが何よりも土台づくりには必要です。
心理的資本とは、「やり遂げる自信」「自発的に目標達成を実現しようとする心のエネルギー」です。
心理的資本が豊かになると、自分の中でかっこたる自信が芽生えます。
従って、多少強いフィードバックを受けても、前向きに受け止めることができるし、褒められると素直に受け取ることができます。仲間が成果を出すと心から喜び、そして自分もがんばろうと良い刺激を受けることもできるのです。
心理的安全性を高めるための心理的資本の開発について
心理的資本は計測でき、また開発することができます。
心理的資本を開発する介入法=ガイディングを知ることで、自分自身や対象者の心理的資本のスイッチを押すことができるのです。
①まずチームのリーダーやマネージャーの心理的資本を開発することが重要です。
チームを率いる人が、下記のようだとチームメンバーが不安になってしまいます。
・目標を見いだせず、また目標達成までの道のりを描くことができない(Hopeが未開発)状態
・自分自身に自信が持てない。メンバーとの信頼関係が築けない(Efficacyが未開発)状態
・ネガティブな気持ちに囚われて次への行動に踏み出せない(Optimismが未開発)状態
・失敗経験の恐怖から脱することができず、挑戦しようとする意志や行動ができない(Resilienceが未開発)状態
これでは、メンバーとの信頼関係が築けず、言いたいことがオープンに言えない、または言いたいことを言ってしまったがためにチームがガタガタになりかねない状態になります。
上記のようにすべてがうまく行っていないリーダーやマネージャーは少ないかもしれませんが、マネジメントをする中で、揺らぎや不安が生じることはあるはず。
チームを率いる人は自らの心理的資本に関心を持ち、心理的資本の開発に取り組むことがチームの心理的安全性につながります。
②心理的資本の構成要素であるEfficacy(効力感・自信と信頼の力)に注目したマネジメントをおこなう
Efficacyの開発には「達成体験」「代理体験」「社会的説得」「情動的喚起」が効果的といわれています。
達成体験とは「できた!」「やれた!」という達成体験です。
代理体験は「あの人ができるなら私もできる!」という周囲の人からの影響です。
社会的説得とは「ポジティブなフィードバック」です。
情動的喚起とは「心身が健やかでワクワク・ドキドキした気持ち」です。
これらを現場のマネジメントに取り入れることで結果的に心理的安全性の高いチームが生まれます。
このEfficacyを高めるマネジメントを行うためには、行動目標を設定する→行動する→承認する→ふりかえる→次の行動目標を設定するというマネジメントサイクルを回していくことも効果的です。
そしてチームメンバーのひとりひとりの心理的資本に着目していくことで、メンバーに自信がうまれ、心理的安全性の高いチームになると考えています。
心理的安全性を高める取り組みにぜひ挑戦していただきたいです。
さて、当社の心理的安全性を高める工夫としてやっていることをひとつご紹介します。
「配慮はするけど、遠慮はしない」です!
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