弱音は吐いてもいいんです

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新年度になり、学校でも社会人でも新人が入り、立場や環境が変わった人が多いです。
4月は新しい環境に順応しようとする緊張感で過ごしますが、少し慣れてきたころにメンタルにきてしまいます。そう、五月病というやつです。

私が昔、聞いた話ですが、強い精神的ストレスを受けると、その2~3か月後に疲労や風邪をひきやすいなどの身体反応が現れるそうです。出展不明なので、正しいかどうか言い切れないのですが、実感として合っていると感じます。

また転職エージェントでは転職者が転職後3か月以内にやめた場合は違約金が生じる場合がありますが、この3か月以内というのもなんとなく心身に違和感が出るタイミングのように思えます。

なんとなく、しんどい、気が重い、先行きが見えない、自信がなくなってきたと感じたら、弱音をはいていいんです。

「恥」と「自己責任」という心の鍵

「弱音を吐けない環境」とは、自身の弱さや困難を表現することが許されない、あるいは抑制される状況です。このような環境は、日本の社会において、職場、学校、家庭など、様々な場面で存在し、個人の心身の健康に深刻な影響を与える可能性があります。

特に日本では、「恥」の概念が強く、弱音を吐くことが「恥ずかしい」「情けない」といった感情と結びつきやすいと考えられます。また、親や友人、上司からの影響や、自己責任を重視する社会風潮も、弱音を吐きにくい状況を生み出す要因となり得ます。

「情けない」と思う感情や「自己責任」というという考え方は自分自身に発破をかけて奮起を促すにはある程度必要かも知れませんが、このことにがんじがらめになってしまうと結果的に自身を抑圧し、心身にネガティブな影響を与えます。

私自身、「このことが起こっているのはすべて自分のせい」「こんなことができないのは恥ずかしい」と思うタイプなので、ばっちり心の鍵をかけているのでしょう。時々、それでしんどくなることもありますが、ただ、コントロールできているのは、なんでも話できるパートナーがいることで救われていると思っています。

職場・学校・家庭で起こっている「弱音の抑圧」

googleのAI GeminiのDeep Research で114件の論文やWebサイトから調べてもらったところ、以下のデータが確認されたそうです。

職場

職場の文化や期待は、弱音を吐くことを抑制する環境を作り出す可能性があります。調査データによると、多くの労働者が職場で弱音を我慢しており、その理由として、ネガティブなイメージを持たれたくない、人に話すのが面倒、弱音を吐くことは良くないと思っているなどが挙げられています。このような抑制は、仕事への満足度、生産性、そしてバーンアウトのリスクに悪影響を及ぼします。職場における「心理的安全性」の概念は、脆弱性を安心して表現できる環境の重要性を示しています。

学校

学校環境、特に同調圧力や学業への期待は、生徒が困難や脆弱性を表現することをためらわせる可能性があります。これは、学業成績、精神的健康、そして社会関係に影響を与えます。生徒が安心して助けを求められる、支援的で包括的な学校文化を創造することが重要です。競争的な学校環境では、弱さを認めることが失敗の兆候と捉えられ、生徒は苦悩を隠し、学業的および感情的に遅れをとる可能性があります。

家庭

家庭環境や育児スタイルは、弱音を表現することを奨励するか抑制するかに大きな影響を与えます。感情的に制限された家庭環境は、子供の発達と精神的健康に長期的な悪影響を与える可能性があります。親が健康的な感情表現をモデル化し、子供が安心して脆弱性を表現できる安全な空間を作ることが重要です。家庭は、個人の脆弱性を表現する快適さの基礎を築く上で基本的な影響力を持ち、制限的な環境は長期的な感情的および心理的影響につながる可能性があります。


また、強制的なポジティブ思考で「ポジティブでなくてはならない」という風潮や感情抑圧といって、自分の感情を意識的、無意識的に抑えるものですが、これは心理的な問題だけでなく、早期死亡リスクにもつながるという研究もあるようです。

どう対処すればいいのでしょうか?

感情を管理し表現するための健康的な方法として、

日記をつける
マインドフルネス
瞑想
社会的支援を求めるなど

だそうです。

私は気の置けない人に話をして、共感や承認をしてもらうことがもっとも大事だと思っています。
でも、最近は同僚と居酒屋でワイワイいう機会も減っていますし、いろんなネットワーク活動でも、そこでは「ポジティブであらねばならない」が意識を支配して本音で話せないようになっているように思います。

当社では心理的資本を高めるガイディングを行っていますが、共感・傾聴・承認に加えて、最後に心理的資本のHEROモデルを使って、前向きに意識を向けるカウンセリングを行っています。これって気の置けない友人との会話そのものですよね。
中には愚痴だけで終わることもあるけれど、それでは少し気持ちが晴れません。愚痴を言う人も前向きになりたいはずですから。

AIキャリア相談室:HERO Me があなたの弱音を受け止めます

ということで、AIキャリア相談室:HERO Meがあなたを受け止め、前向きになるパートナーとなるべく、ただいまアップデート中です。
五月病になりそうでモヤモヤしている人の力になりたいと考えています


石見一女

石見一女

Be&Do代表取締役/組織・人材活性化コンサルティング会社の共同経営を経て、人と組織の活性化研究会(APO研)を設立運営。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとし、働く人のキャリアと組織活性化について研究活動を継続。『なぜあの人は「イキイキ」としているのか』第1章30歳はきちんと落ち込め執筆、プレジデント社,2006年。

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