【Be&Do通信コラム】「〜してあげている」という気持ちが動機づけの機会を逸す?

記事

私の知り合いに絵本講師の方がおられるのですが、
以前、次のようなアドバイスを頂いて、正直とても驚きました。

(絵本講師)
『子どもに絵本を読み終えたら「読んでくれてありがとう」
と伝えてあげてください。子どもは嬉しくなって、
もっと絵本が好きになりますよ!』

…そこで感謝を伝えるという発想は全く無かった私。
だって、”読んであげている”のに?
正直、子どもから”ありがとうと言ってもらう側”
とさえ思っていました。

すぐには腑に落ちかった私ですが、
実はこれと同じパターンって結構あると気付いたんです。
例えば、自分が作った料理を子どもに食べてほしい場面。
未熟な私は内心、
「せっかく作ったんだから苦手なおかずも食べてよ」
と思っていました。

ですがその日は意識を切り替えて、
子ども達に「お父さんの料理を食べてくれてありがとう」
という感謝を最初に伝えるようにしました。
するとしばらくして、3歳の娘が普段残しそうなおかずを
食べようとしていることに気付きました。
すかさず「ありがとう」と伝えると、とても嬉しそう。
それに触発された6歳息子も野菜をどんどん食べる。
「絵本講師の方のアドバイスはこのことか!」と
実感することができました。

さて、誰かの「感謝の言葉」が行動を起こすための
心の原動力の一つとなるのは、
子どもも大人も同じだと私は思います。
仮に仕事のマネジメントに置き換えて考えてみました。

(↓極端な表現ではありますが、)
部下に対して、
・仕事を任せてあげている
・指導や支援をしてあげている
・1on1ミーティングをしてあげている

こんな「してあげている」という気持ちに囚われて、
部下のがんばりやアウトプットに対して
感謝を伝えることを忘れていれば、
結果として部下を動機づける機会を逸しているかも知れません。

感謝を伝えることは、
自分の幸福(ウェルビーイング)にもなると感じます。
子ども達に苦手なおかずを食べてくれた感謝を伝えた私。
食べてくれたという結果が嬉しかったのはもちろんのこと、
加えて、私自身も嬉しく、穏やかな気持ちになることができました。

「〜してあげている」という気持ちを手放し、
感謝を伝えるように心掛けて行こうと思います。

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赤澤智貴

赤澤智貴

心理的資本コンサルタント。株式会社Be&Doのプランナー。人材サービス会社での企画営業を経て、2019年8月より現職。社員が楽しく前向きに挑戦し、成果が出る組織作りの実現を目指している。素材メーカーのマネジメント人材育成、組織開発、小売業の人材育成強化などを担当。日本心理的資本協会認定PsyCap Master®。健康経営アドバイザー。アンガーマネジメントファシリテーター。趣味は野球。二児の父。

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